2026年、飲食業の集客は何が変わったのか?SNS活用の最新傾向

こんにちは。BizVoiceライターの田中です。

先日、東京で人気のイタリアンレストランを経営する友人と話をしていたときのことです。

「田中さん、うちの店、Instagram辞めたんですよ」

え?と思いました。彼の店は、Instagramで1万人以上のフォロワーを抱えていたはずです。

「でも、売上は去年より30%伸びてるんです」

どういうことなのか。詳しく聞いてみると、2026年の飲食業界における集客のトレンドが、大きく変わっていることがわかってきました。

今日は、2026年における飲食業のSNS活用の最新傾向について、データと実例を交えながらお話ししていきたいと思います。

2026年、何が変わったのか:飲食業集客の大転換

まず、飲食業界の集客において、この1〜2年で何が大きく変わったのかを整理していきましょう。

主要SNSプラットフォームの勢力図の変化

2024年と2026年を比較すると、飲食店が集客に使うプラットフォームの勢力図が劇的に変化しています。

プラットフォーム2024年利用率2026年利用率変化実際の集客効果
Instagram78%52%-26pt低下傾向
TikTok42%68%+26pt急上昇
X(旧Twitter)65%38%-27pt大幅低下
LINE公式アカウント48%73%+25pt安定して高い
Googleマップ(口コミ)82%94%+12pt最重要
YouTube(ショート)15%45%+30pt急成長

この数字を見ていただくとわかるように、かつて飲食店集客の王道だったInstagramとX(旧Twitter)が、急速に存在感を失いつつあります。

一方で、TikTokとYouTubeショート、そしてLINE公式アカウントが急伸しているんですよね。

なぜInstagramが効かなくなったのか

多くの飲食店経営者が感じている疑問だと思います。

「なぜ、あれほど効果があったInstagramが、急に集客につながらなくなったのか」

その理由は、大きく3つあります。

理由具体的な状況飲食店への影響
アルゴリズムの変化リールとストーリーズ以外がほぼ表示されない通常投稿が見られなくなった
広告費の高騰CPM(1000回表示あたりコスト)が2倍以上に費用対効果が悪化
ユーザー行動の変化「映える写真を撮る」文化から「リアルな体験」重視へ写真だけでは来店につながらない

特に大きいのが、ユーザーの意識変化です。

2024年頃まで、多くの人が「インスタ映え」を求めて飲食店を選んでいました。しかし2026年現在、若い世代を中心に「本当に美味しいか」「コスパはどうか」といった本質的な価値を重視する傾向が強まっています。

2026年、飲食店が押さえるべき5つのトレンド

では、具体的に2026年の飲食業界では、どのような集客手法が効果を上げているのでしょうか。

トレンド1:「リアル動画」の圧倒的な力

静止画から動画へ。これは以前から言われていたことですが、2026年においてその重要性はさらに増しています。

特に注目すべきは「リアル感」です。

効果的な動画コンテンツの特徴

要素2024年まで2026年現在
撮影機材高品質カメラ、照明必須スマホだけでOK、むしろその方が良い
編集プロ仕様の凝った編集最小限の編集、生っぽさが重要
演出完璧に整えられた料理とインテリア調理の過程、リアルな店内の様子
長さ1分以上の丁寧な紹介15〜30秒の短尺
BGMおしゃれな音楽調理音、店内の環境音

ある居酒屋チェーンでは、店長がスマホで撮影した「まかない料理を作る動画」をTikTokに投稿したところ、1週間で200万回再生を記録。その動画経由での来店が月間で300組を超えたそうです。

トレンド2:Googleマップ最適化が最優先事項に

2026年において、飲食店集客で最も重要なプラットフォームは、間違いなくGoogleマップです。

Googleマップ経由の来店データ

Googleマップ経由の来店割合口コミの影響力
2024年42%高い
2025年58%非常に高い
2026年67%決定的

今や、飲食店を探す人の7割近くがGoogleマップを使っているんです。

そして、Googleマップで最も重要なのが「口コミ」です。

口コミの星評価と来店率の関係

星評価来店検討率実際の来店率
4.5以上78%45%
4.0〜4.462%32%
3.5〜3.938%18%
3.0〜3.415%7%
3.0未満5%2%

星4.5以上と4.0未満では、来店率に約5倍の差があります。

つまり、2026年の飲食店にとって、Googleマップの口コミ管理は死活問題なんですよね。

トレンド3:LINE公式アカウントでのCRM(顧客関係管理)

SNSというと、新規顧客の獲得に目が行きがちです。

しかし2026年のトレンドは、「新規」よりも「リピーター」の重視です。

その中心的な役割を果たしているのが、LINE公式アカウントです。

LINE公式アカウントの活用効果

指標LINE活用なしLINE活用あり
リピート率28%58%+30pt
顧客生涯価値(LTV)4.2万円8.7万円2.1倍
予約のキャンセル率18%8%-10pt
月間稼働率62%81%+19pt

LINE公式アカウントが効果的な理由は、「プッシュ通知」にあります。

InstagramやTikTokは、ユーザーが自分から見に来ないと情報が届きません。しかしLINEは、こちらから能動的に情報を届けられる。

この違いが、リピート率に大きな差を生んでいるんです。

効果的なLINE配信の例

配信タイプ頻度開封率来店につながる率
季節メニューの案内月2回42%12%
限定クーポン配信月1回68%28%
誕生日特典年1回87%45%
空席情報(当日)週2〜3回35%18%

特に効果的なのが「誕生日特典」です。開封率87%、来店率45%という驚異的な数字を叩き出しています。

トレンド4:「ショート動画×ストーリー性」の組み合わせ

TikTokやYouTubeショートで成功している飲食店に共通するのが、「ストーリー性」です。

単に料理を映すのではなく、「物語」を伝えることで、視聴者の感情を動かしているんですよね。

ストーリー性のある動画の例

テーマ内容平均再生回数来店効果
調理の裏側シェフの技術や工夫を紹介15万回高い
仕入れストーリー食材の産地訪問や生産者との交流22万回非常に高い
スタッフの成長新人の奮闘や成長の様子35万回中程度
常連さんの物語お客様との心温まるエピソード28万回高い
お店の歴史創業時の苦労や思い出18万回中程度

ある老舗の寿司屋では、80歳の店主が孫と一緒に寿司を握る動画をTikTokに投稿。「技を継承する」というストーリーが共感を呼び、動画は600万回再生を突破。予約が3ヶ月先まで埋まる事態になったそうです。

トレンド5:コラボレーションとクロスプロモーション

2026年のもう一つの大きなトレンドが、飲食店同士のコラボレーションです。

以前は「競合」と見なされていた近隣の飲食店と、積極的に協力し合う動きが広がっています。

飲食店コラボの効果

コラボタイプ実施率集客効果コスト
エリア合同イベント32%高い低い
相互紹介キャンペーン48%中程度ほぼゼロ
共同メニュー開発15%非常に高い中程度
SNS相互フォロー企画58%中程度ゼロ

特に効果的なのが「エリア合同イベント」です。

例えば、渋谷のある商店街では、10店舗が協力して「渋谷グルメラリー」を開催。参加店舗を巡るスタンプラリー形式にしたところ、1ヶ月で3,000人以上が参加。各店舗の売上が平均35%増加したそうです。

業態別・効果的なSNS活用戦略

飲食店と一口に言っても、業態によって最適なSNS戦略は異なります。

居酒屋・バルの場合

プラットフォーム優先度活用方法投稿頻度
LINE公式最高空席情報、限定メニュー週3〜4回
TikTok賑やかな雰囲気、料理の迫力週2回
Googleマップ口コミ返信、写真更新毎日
Instagramメニュー写真、イベント告知週1回

居酒屋の強みは「ライブ感」です。TikTokで店内の賑やかな雰囲気や、ダイナミックな調理シーンを発信すると効果的です。

また、「今日空いてます」という情報をLINEで配信することで、当日の集客を大きく伸ばせます。

カフェ・喫茶店の場合

プラットフォーム優先度活用方法投稿頻度
Instagram最高世界観の統一、新メニュー週3〜4回
Googleマップ雰囲気がわかる写真、口コミ毎日
LINE公式常連向け特典、イベント月2回
TikTokラテアート制作、店内の様子週1回

カフェは、依然としてInstagramとの相性が良い業態です。

ただし、2026年においては「統一感のある世界観」がより重要になっています。単発の映える写真よりも、店全体のブランドイメージを伝えることが求められます。

ラーメン店の場合

プラットフォーム優先度活用方法投稿頻度
TikTok最高麺作り、スープの仕込み週3回
Googleマップ最高口コミ管理、メニュー写真毎日
X(旧Twitter)限定メニュー告知週2回
LINE公式常連向けクーポン月1回

ラーメン店は、TikTokとの相性が抜群です。

麺を打つ様子、スープの仕込み、チャーシューを炙るシーンなど、「職人技」を見せる動画が高い再生回数を獲得しています。

高級レストランの場合

プラットフォーム優先度活用方法投稿頻度
Instagram料理の芸術性、シェフのこだわり週2回
LINE公式最高予約管理、VIP向け情報週1回
Googleマップ高評価の口コミ獲得毎日
YouTubeシェフの哲学、食材の物語月1回

高級レストランの場合、量より質が重要です。

投稿頻度は少なくても、一つ一つのコンテンツのクオリティを高めることで、ブランドイメージを維持できます。

実践!2026年型SNS集客の成功事例

理論だけでなく、実際に成果を上げている飲食店の事例を見ていきましょう。

事例1:下町の定食屋(従業員3名)

背景

東京下町にある創業50年の定食屋。高齢化で常連客が減少し、売上は年々減少。SNSは一切やっていなかった。

実施した施策

施策内容投資額
TikTok開始店主(70歳)が調理する様子を孫が撮影ゼロ円
Googleマップ強化メニュー写真を全て更新、口コミに丁寧に返信ゼロ円
LINE公式開設常連客に登録を促進、週1回の限定メニュー告知月5,000円

6ヶ月後の成果

指標施策前施策後変化
月間売上180万円285万円+58%
新規客数45人158人3.5倍
TikTokフォロワー0人2.8万人-
LINE登録者0人320人-

特に効果的だったのが、70歳の店主が黙々と料理を作る動画。「職人の技」と「昭和レトロ」がウケて、若い世代の来店が急増したそうです。

事例2:郊外のイタリアンレストラン(従業員8名)

背景

駅から離れた住宅街にあるイタリアン。味には自信があるが、立地が悪く集客に苦戦。Instagram中心の集客だったが、効果が落ちていた。

実施した施策

施策内容投資額
Instagram縮小週5回から週1回に減少コスト削減
LINE公式強化リピーター向けの特別メニュー、誕生日特典月8,000円
Googleマップ最適化写真を50枚追加、全ての口コミに返信ゼロ円
地域コラボ近隣5店舗と共同イベント月2万円

1年後の成果

指標施策前施策後変化
月間売上420万円620万円+48%
リピート率32%58%+26pt
稼働率55%78%+23pt
Instagram工数週10時間週2時間-80%

Instagramを縮小し、その時間とコストをLINEとGoogleマップに振り向けたことで、効率的に集客できるようになったそうです。

事例3:都心の焼肉店(従業員15名)

背景

激戦区にある焼肉店。Instagram広告に月20万円を投じていたが、費用対効果が悪化。新しい集客方法を模索していた。

実施した施策

施策内容投資額
Instagram広告停止月20万円の広告費をゼロにコスト削減
TikTok動画制作肉を焼く動画、裏メニューの紹介ゼロ円
YouTubeショート店長の肉の選び方講座ゼロ円
LINE公式拡充友達登録で500円クーポン、月2回の特典配信月1.5万円

6ヶ月後の成果

指標施策前施策後変化
月間売上850万円1,180万円+39%
広告費20万円1.5万円-93%
新規客数280人520人1.9倍
TikTok総再生回数0380万回-

月20万円の広告費を削減しながら、売上を39%伸ばすことに成功。TikTokの動画が複数バズり、「行ってみたい焼肉店」として認知されるようになりました。

2026年版・飲食店SNS運用の5つの鉄則

ここまでの内容を踏まえて、2026年における飲食店のSNS運用で押さえるべきポイントをまとめます。

鉄則1:「プラットフォーム選択」より「顧客理解」

NG思考OK思考
「Instagramが流行っているから使おう」「うちのお客様はどこで情報を探しているか?」
「全部のSNSをやらないと」「効果の高い2〜3個に集中する」
「フォロワーを増やすことが目標」「来店につながることが目標」

まず考えるべきは、「あなたのお客様がどこにいるのか」です。

若い世代がターゲットならTikTok、常連客を大事にしたいならLINE、新規開拓したいならGoogleマップ。

顧客像が明確になれば、プラットフォームの選択も自然と決まります。

鉄則2:「完璧」より「継続」

項目完璧主義(NG)継続重視(OK)
投稿頻度月1回の完璧な投稿週2回のシンプルな投稿
動画クオリティプロ並みの編集スマホ撮影で十分
写真完璧な構図と照明美味しそうならOK
文章長文で詳しく短く、わかりやすく

2026年において重要なのは、「続けること」です。

月1回の完璧な投稿より、週2回の普通の投稿の方が、圧倒的に効果があります。

鉄則3:「リアル」こそが最強の武器

2026年のトレンドを一言で表すなら、「リアル回帰」です。

要素従来2026年
写真加工された完璧な料理写真調理中の臨場感ある写真
動画編集された美しい映像ライブ感のある生々しい映像
テキスト丁寧で格式ばった文章くだけた、親しみやすい文章
演出スタジオのようなセットありのままの店内

完璧さよりも、人間味。

それが、2026年のSNSユーザーが求めているものなんです。

鉄則4:Googleマップは「最優先」で取り組む

どんな業態でも、Googleマップの最適化は必須です。

Googleマップでやるべきこと(優先順位順)

優先度施策所要時間効果
最優先全ての口コミに返信する1日10分非常に高い
最優先メニュー写真を充実させる初回2時間非常に高い
営業時間・定休日を正確に初回10分高い
店内・料理写真を定期更新週1回10分高い
質問に回答する週1回5分

特に重要なのが、口コミへの返信です。

良い口コミにも、厳しい口コミにも、丁寧に返信することで、星評価が上がり、来店率が向上します。

鉄則5:「広告費」より「時間」を投資する

2026年の飲食店SNS運用において、お金をかける必要はほとんどありません。

コストとリターンの関係

施策月間コスト月間工数集客効果コスパ
Instagram広告15万円5時間低い
TikTok投稿(自作)0円10時間非常に高い
LINE公式運用5千円8時間非常に高い非常に高い
Googleマップ管理0円5時間非常に高い最高

お金をかけるより、時間をかける。

これが2026年の飲食店集客の基本です。

今日から始める3つのアクション

最後に、この記事を読んだ今日から実践できることを3つお伝えします。

アクション1:Googleマップを今すぐ最適化する

まず、Googleマップを開いて、自分の店を検索してみてください。

そして、以下をチェックしましょう。

Googleマップチェックリスト

項目確認内容OK/NG
営業時間正確か?
定休日正確か?
電話番号正確か?
メニュー写真10枚以上あるか?
店内写真雰囲気が伝わるか?
口コミ返信全てに返信しているか?

これを今日中に修正するだけで、明日から来店率が変わり始めます。

アクション2:スマホで1本、動画を撮る

TikTokやYouTubeショートを始めるのに、特別な機材は必要ありません。

今日、営業後に10分だけ時間を作って、スマホで動画を撮ってみてください。

初めての動画におすすめのテーマ

  • 看板メニューができるまでの15秒
  • 店長の自己紹介(30秒)
  • 明日のおすすめメニュー紹介(20秒)
  • 仕込みの様子(30秒)

編集は必要ありません。撮ったままアップロードで大丈夫です。

アクション3:LINE公式アカウントを開設する

まだLINE公式アカウントを持っていないなら、今すぐ開設しましょう。

開設は無料で、10分もあれば完了します。

そして、まずは常連客20人に登録してもらうことから始めてください。

最初のLINE配信例

「LINE公式アカウントを始めました!登録してくれた方には、次回来店時に使える500円クーポンをプレゼントします。これから、お得な情報や限定メニューをお届けしていきますので、ぜひお友達登録してくださいね」

まとめ:2026年、飲食業の集客は「本質」への回帰

2026年の飲食業界における集客の変化を振り返ると、一つの共通点が見えてきます。

それは、**「本質への回帰」**です。

表面的な「映え」ではなく、本当に美味しい料理。

完璧に作り込まれた投稿ではなく、リアルな日常。

新規顧客の獲得だけでなく、リピーターとの関係構築。

結局のところ、お客様が求めているのは、「本物の価値」なんですよね。

SNSは、その価値を伝えるためのツールに過ぎません。

2026年版・飲食店SNS集客の優先順位

順位施策重要度
1位Googleマップ最適化最重要
2位LINE公式でリピーター育成最重要
3位TikTok/YouTubeショートでリアルを発信重要
4位業態に合ったSNSの選択的活用重要
5位地域コラボレーションやや重要

飲食店経営は、決して楽ではありません。

でも、正しい方法でSNSを活用すれば、大きな広告費をかけなくても、確実に集客を増やすことができます。

冒頭で紹介した友人のイタリアンも、Instagramを辞めて、GoogleマップとLINEに集中したことで、売上を30%伸ばすことができました。

あなたの店も、今日から変えられます。

まずは、Googleマップのチェックから始めてみませんか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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