
こんにちは、BizVoice編集部のライターです。
今回は、建設・不動産業界におけるSNS活用の最新動向についてお話しさせていただきます。
「うちの業界はSNSなんて関係ない」「職人気質でそういうのは苦手」——そんな声を聞くことも少なくありませんよね。でも、実際のところ、建設・不動産業界でSNS発信に取り組む企業は年々増加しています。なぜ今、この業界でSNSが注目されているのでしょうか?
この記事では、業界を取り巻く環境の変化から、具体的な活用メリット、そして成功のポイントまで、中小企業の経営者・担当者の皆さまにわかりやすく解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。
1. 業界を取り巻く環境の変化——なぜ今SNSなのか
1-1. 日本のSNS利用状況——もはや国民的インフラに
まず押さえておきたいのが、日本におけるSNS利用の現状です。
ICT総研の調査によると、2024年末時点での国内SNS利用者数は約8,452万人に達しています。これは、国内インターネットユーザーの約79%に相当する数字です。2026年末には8,550万人を超え、利用率は80%を上回る見通しとなっています。
【国内SNS利用者数の推移】
| 年度 | SNS利用者数 | 普及率 |
|---|---|---|
| 2022年 | 約8,270万人 | 約80% |
| 2024年 | 約8,452万人 | 約79% |
| 2026年(予測) | 約8,550万人 | 約80%超 |
※ICT総研「2024年度SNS利用動向に関する調査」より作成
注目すべきは、SNS利用が若年層だけの現象ではなくなっている点です。総務省の情報通信白書によれば、LINEの利用率は60代でも90%を超えており、もはやSNSは「若者のツール」ではなく「国民的インフラ」と言っても過言ではありません。
【主要SNSの全年代利用率(2025年時点)】
| SNS名 | 全年代利用率 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| LINE | 91.1% | 全世代に浸透 |
| YouTube | 80.8% | 動画コンテンツの王道 |
| 52.6% | ビジュアル重視・女性に人気 | |
| X(旧Twitter) | 43.3% | リアルタイム性・拡散力 |
| TikTok | 33.2% | 若年層に急成長・短尺動画 |
| 26.8% | 30〜50代のビジネス層 |
※総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より作成
このように、日本人の大多数がなんらかのSNSを日常的に利用している現状を踏まえると、企業がSNSを活用しない理由はもはや見当たらないと言えるでしょう。
1-2. 顧客の情報収集行動の変化——「まずスマホで調べる」時代
次に注目したいのが、住宅や不動産を探すお客様の行動変化です。
国土交通省の「住宅市場動向調査」によると、物件や施工者に関する情報収集をインターネットで行う人の割合は、ここ5年間で大きく増加しています。特にコロナ禍以降、住宅展示場や不動産店舗への来場が減少する一方、オンラインでの情報収集がさらに加速しました。
And Doホールディングス(ハウスドゥ)の調査によると、不動産購入者の約4人に1人(24.7%)がInstagramで情報収集を行っていることが明らかになっています。これはYouTube(23.5%)やX(21%)を上回り、「知人・友人の口コミ」(25.8%)に匹敵する水準です。チラシ(17.6%)などの従来型広告を大きく上回っている点も見逃せません。
【不動産購入者の情報収集方法(複数回答)】
| 情報収集方法 | 利用率 |
|---|---|
| 知人・友人の口コミ | 25.8% |
| 24.7% | |
| YouTube | 23.5% |
| X(旧Twitter) | 21.0% |
| チラシ・広告 | 17.6% |
※And Doホールディングス調査(2024年)より作成
さらに、いえらぶGROUPの調査では、Z世代(若年層)が「今後使いたい住まい探しの情報収集方法」として最も多く挙げたのがSNS(38.6%)でした。実際に住まい探しで使った方法でも、ポータルサイトに次いでSNSが2位(39.5%)となっています。
つまり、これからの主要顧客となる若年層は「SNSで会社や物件をチェックする」のが当たり前になっているのです。SNSで情報発信していない企業は、そもそも選択肢に入らない可能性すらあるわけですね。
1-3. 深刻化する人材不足——採用活動もSNSが鍵に
建設業界が直面しているもう一つの大きな課題が、人材不足です。
建設業の有効求人倍率は年々上昇しており、2024年には5倍を超える状況となりました。高齢化が進行し、熟練労働者の大量退職が予測される一方で、若者は「3K(きつい、汚い、危険)」というイメージから建設業界を敬遠する傾向にあります。
こうした状況を打破する手段として注目されているのが、SNSを活用した採用活動です。若年層の求職者はSNSを日常的に利用しており、就職活動においてもSNSで企業研究を行うことが一般的になっています。
【建設会社経営者の声】
「求人広告に何十万円もかけても応募がゼロという状態が続いていました。でも、InstagramとTikTokで現場の様子や若手社員の働く姿を発信し始めたら、『SNSを見て興味を持った』という問い合わせが増えてきたんです。SNSなら費用もほとんどかかりませんし、もっと早く始めればよかったと思っています」(埼玉県・建設会社代表)
「YouTubeチャンネルを始めて4年になりますが、動画を見て『働いてみたい』という問い合わせが本当に増えました。採用だけでなく、仕事の依頼にもつながっています」(東京都・建設会社代表)
このように、SNSは「24時間365日働いてくれる人事・宣伝担当者」として機能するのです。特に建設業には「現場」という強力なコンテンツがあります。職人さんたちが生き生きと働く姿や、完成したプロジェクトの様子を動画で発信することで、業界のネガティブなイメージを払拭し、若者の関心を引くことができるわけですね。
2. 建設・不動産業界がSNSを活用するメリット
2-1. 低コストで広範囲にアプローチできる
従来の集客方法であるテレビCM、折込チラシ、求人広告などは、どれも多額のコストがかかります。特に中小企業にとって、これらの費用は大きな負担となりますよね。
一方、SNSのアカウント開設は無料です。継続的な投稿も基本的には無料で行えます。もちろん、広告を出稿すれば費用は発生しますが、それでも従来の広告媒体と比較すると圧倒的に低コストで済みます。
【広告手法別のコスト比較(目安)】
| 広告手法 | 概算コスト | 特徴 |
|---|---|---|
| テレビCM | 数百万円〜 | 認知度向上に有効 |
| 折込チラシ | 数万円〜数十万円 | 地域密着型 |
| 求人広告 | 数万円〜数十万円/回 | 掲載期間限定 |
| SNS(オーガニック) | 基本無料 | 継続的な発信が可能 |
| SNS広告 | 数千円〜(少額から可) | ターゲティング精度が高い |
※業界平均的な目安として作成
しかも、SNSは時間や場所に縛られず、何度でも最新の情報を発信できます。一度投稿したコンテンツは資産として蓄積され、検索からの流入も期待できます。費用対効果という観点では、SNSは非常に優れた選択肢と言えるでしょう。
2-2. ビジュアルで物件・施工の魅力を伝えられる
建設・不動産業界にとって、SNSの大きなメリットの一つが「ビジュアルでの訴求力」です。
物件の外観や内装、施工現場の様子、完成した建物の美しさ——これらは文章だけでは伝えきれませんよね。写真や動画を活用することで、潜在顧客の視覚に直接訴えかけることができます。
特にInstagramやTikTokは、ビジュアルコンテンツに特化したプラットフォームです。おしゃれなインテリアの写真や、ルームツアー動画、施工のビフォーアフターなどを投稿すれば、物件を探している人の目に留まりやすくなります。
実際、賃貸物件情報サイト「グッドルーム」のInstagramアカウントは、おしゃれな賃貸物件の写真を投稿することで、フォロワー数約15万8,000人を獲得しています。ハッシュタグや位置情報を活用して検索性を高め、興味を持ったユーザーを自社サイトへ誘導する導線も確立しているわけです。
2-3. 顧客との直接的なコミュニケーションが可能
SNSのもう一つの大きな特徴は、顧客との双方向コミュニケーションが可能な点です。
従来の広告は一方的な情報発信に過ぎませんでした。しかしSNSでは、投稿に対するコメントやダイレクトメッセージを通じて、顧客と直接やり取りすることができます。
特に不動産取引では、契約までのやり取りが長期間に及ぶことも珍しくありません。LINEなどのSNSチャット機能を活用すれば、顧客が時間や場所を気にせず気軽に問い合わせでき、企業側も迅速に対応できます。メールと比較して開封率も高く、返信が得られる可能性も高まります。
【不動産会社利用者の声】
「仕事が忙しくて電話する時間がなかなか取れなかったので、LINEで問い合わせできたのは本当に助かりました。夜遅くに質問しても、翌朝には返信が来ていて、スムーズにやり取りできました」(30代・男性会社員)
「Instagramで見た物件の雰囲気がとても良くて、そのままDMで内見予約しました。写真で事前に部屋の様子がわかっていたので、実際に見学したときもイメージ通りで決めやすかったです」(20代・女性)
こうした気軽なコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことで、最終的な成約率向上にもつながるのです。
2-4. 潜在顧客にもアプローチできる
不動産ポータルサイトや情報誌は、積極的に物件を探している「顕在層」へのアピールには有効です。しかし、「いつかは家を買いたい」「そろそろ引っ越しを考えようかな」という「潜在層」にはなかなかリーチできません。
SNSの強みは、まさにこの潜在層へのアプローチにあります。ユーザーがSNSを眺めているときに、偶然あなたの会社の投稿が目に入る。おしゃれな物件の写真や、興味深い施工動画がきっかけで、「この会社に問い合わせてみようかな」と思ってもらえる——これがSNSの醍醐味です。
また、SNS広告を活用すれば、年齢、性別、居住地、興味関心などの属性で細かくターゲティングして情報を届けることも可能です。「30代で結婚を考えている」「子育て世代」といった属性の人に絞って広告を表示できるため、効率的なアプローチが実現できます。
2-5. 企業ブランディングと信頼構築
SNSでの継続的な情報発信は、企業のブランディングにも大きく貢献します。
会社の理念や価値観、日々の活動、社員の様子などを発信することで、「この会社は信頼できそう」「雰囲気が良さそう」といった印象を形成できます。特に建設・不動産業界では、取引金額が大きいだけに、企業への信頼感が重要な判断材料となりますよね。
SNSでオープンに情報発信している企業は、それだけで「透明性が高い」「誠実そう」という好印象を与えることができます。逆に、SNSでまったく情報発信していない企業は、「情報が少なくて不安」と思われてしまう可能性もあるのです。
3. 各SNSプラットフォームの特徴と活用法
ここからは、建設・不動産業界で特に活用したい主要SNSの特徴と、効果的な使い方について解説していきます。
3-1. Instagram——ビジュアル重視のブランディングに最適
Instagramは、写真や動画を中心としたビジュアル特化型のSNSです。10〜30代を中心に利用されており、特に女性ユーザーの割合が高いのが特徴です。
【Instagram活用のポイント】
| 機能 | 活用方法 |
|---|---|
| フィード投稿 | 物件写真、施工事例、完成イメージなど。統一感のある世界観を意識 |
| リール(短尺動画) | ルームツアー、施工過程のタイムラプス、ビフォーアフターなど |
| ストーリーズ | 日常の現場風景、イベント告知、限定情報など。24時間で消える気軽さを活用 |
| ハッシュタグ | #新築一戸建て #リノベーション #〇〇市不動産 など、検索されやすいタグを設定 |
Instagramは「インスタ映え」という言葉があるように、美しい写真や統一感のある投稿が好まれます。物件のおしゃれな内装写真や、完成した建物の美しい外観などを投稿することで、企業イメージの向上につなげられます。
また、最近はリール(短尺動画)機能の重要性が増しています。ルームツアー動画や施工のビフォーアフター動画は、静止画では伝わりにくい空間の広がりや雰囲気を効果的に伝えることができますよ。
3-2. YouTube——SEOに強く、資産として蓄積できる
YouTubeは世界最大の動画共有プラットフォームで、日本国内の月間アクティブユーザー数は7,300万人を超えています。10代から60代まで幅広い年齢層に利用されており、特に45〜64歳の利用者が約2,900万人と、同世代人口の80%以上を占めているのが特徴です。
YouTubeの大きな強みは、Googleの検索結果にも表示される点です。「〇〇市 工務店」「リノベーション 事例」などで検索したとき、YouTube動画が上位に表示されることも珍しくありません。つまり、YouTubeはSEO(検索エンジン最適化)に非常に強いプラットフォームなのです。
【YouTubeで効果的なコンテンツ例】
| コンテンツ種類 | 内容・効果 |
|---|---|
| 施工事例・ルームツアー | 完成物件を動画で紹介。空間の広がりや動線がわかりやすい |
| 社員インタビュー | 働く人の声を届け、採用活動にも効果的。企業の雰囲気が伝わる |
| お役立ち情報・ノウハウ | 住宅購入のポイント、リフォームの注意点など。専門性をアピール |
| 施工過程のドキュメンタリー | 建設現場の裏側を公開。技術力や仕事へのこだわりを伝える |
動画制作のハードルは高いと感じるかもしれませんが、最近はスマートフォンだけでも十分なクオリティの動画が撮影できます。まずは簡単なルームツアーや現場紹介から始めてみるのがおすすめです。
また、YouTubeショートという1分以内の短尺動画機能もあります。これならTikTokやInstagramリールと同じ感覚で、気軽に動画投稿を始められますよ。
3-3. TikTok——若年層へのリーチと話題性
TikTokは15秒〜数分程度の短尺動画に特化したプラットフォームです。10〜20代の若年層を中心に利用されていますが、最近は30代以上のユーザーも増加しています。
TikTokの最大の特徴は、「バズりやすさ」です。フォロワー数に関係なく、面白い・役に立つコンテンツであれば、アルゴリズムによって多くの人に表示される仕組みになっています。つまり、アカウントを開設したばかりの企業でも、コンテンツ次第で一気に認知度を高めることができるのです。
住宅購入のメインターゲット層である30代とも重なるため、不動産業界にとっては非常に有望なプラットフォームと言えます。短尺動画で現場のリアルや豆知識を配信することで、若年層への認知拡大に効果を発揮します。
3-4. LINE——顧客との個別コミュニケーションに最強
LINEは日本国内で最も利用されているSNSで、月間アクティブユーザー数は約9,600万人に達しています。全年代で90%を超える利用率を誇り、もはや電話やメールに代わるコミュニケーションインフラとなっています。
LINE公式アカウントを活用すれば、友だち登録してくれたユーザーに対して、新着物件情報やキャンペーン情報などを直接配信できます。メールマガジンと比較して開封率が高く、チャット機能を使った個別対応も可能です。
特に不動産業界では、物件の問い合わせから内見予約、契約までのやり取りをLINEで行う企業が増えています。電話が苦手な若年層にとっても、LINEでの問い合わせは心理的ハードルが低く、結果として問い合わせ数の増加につながることが期待できます。
3-5. X(旧Twitter)——リアルタイム性と拡散力
X(旧Twitter)は、テキストベースの短文投稿が中心のSNSです。リアルタイム性と拡散力に優れており、情報の即時発信やユーザーとの気軽なコミュニケーションに向いています。
ただし、建設・不動産業界においては、ビジュアル重視のInstagramやYouTubeと比較すると、活用の難易度はやや高いかもしれません。
成功事例としては、不動産会社「オープンハウスグループ」のXアカウントがあります。アカウント名に「(ゆる運用)」と付けているように、企業PRばかりではなく日常的な内容や雑談投稿も行うスタイルで、フォロワー数約3.2万人を獲得しています。親しみやすい「ゆるさ」が人気の秘訣で、企業とユーザーの良好な関係構築に役立てているわけですね。
【建設・不動産業界向けSNS比較表】
| SNS | 主なユーザー層 | おすすめ用途 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 10〜30代女性中心 | 集客・ブランディング | デザイン性の高い物件を扱う企業 | |
| YouTube | 全年代 | 集客・採用・SEO | 継続的に動画制作できる体制がある企業 |
| TikTok | 10〜30代 | 認知拡大・採用 | 若手人材の採用に力を入れたい企業 |
| LINE | 全年代 | 顧客対応・CRM | 顧客とのコミュニケーションを重視する企業 |
| X(旧Twitter) | 20〜40代 | 話題作り・情報拡散 | 親しみやすさを重視する企業 |
4. SNS運用を成功させるためのポイント
4-1. 目的とターゲットを明確にする
SNS運用を始める前に、まず明確にすべきなのが「目的」と「ターゲット」です。
集客なのか、採用なのか、ブランディングなのか——目的によって、選ぶべきSNSも投稿内容も変わってきます。また、誰に届けたいのか(ペルソナ)を具体的に設定することで、より刺さるコンテンツを作成できるようになります。
たとえば、「30代のファミリー層に新築一戸建てを訴求したい」のであれば、Instagramで子育て世代に響くような内装写真や、間取りの工夫を紹介するコンテンツが有効でしょう。一方、「20代の若手人材を採用したい」のであれば、TikTokやInstagramで現場の雰囲気や若手社員の活躍を発信するのが効果的です。
4-2. 継続的な発信を習慣化する
SNS運用で最も重要なのは「継続」です。
月に1回投稿するだけでは、フォロワーも増えませんし、アルゴリズムにも評価されません。理想は毎日投稿ですが、難しければ週に2〜3回程度は投稿することを目標にしましょう。
継続するためのコツは、無理のない運用体制を構築することです。担当者を明確にし、投稿のネタ出しや撮影を日常業務の中に組み込んでしまうのがおすすめです。
【継続運用のためのチェックリスト】
- □ SNS運用の担当者を決めている
- □ 投稿頻度の目標を設定している(週○回など)
- □ 投稿ネタのストックがある
- □ 現場での写真・動画撮影がルーティン化している
- □ 投稿スケジュール(カレンダー)を作成している
- □ 効果測定の指標を決めている(フォロワー数、エンゲージメント率など)
4-3. 「現場」という最強のコンテンツを活かす
建設・不動産業界がSNS運用において有利な点は、「現場」という強力なコンテンツを持っていることです。
実際に建物ができていく過程、職人さんたちが働く姿、完成した物件の美しさ——これらはすべて、他の業界にはない魅力的なコンテンツになります。わざわざコンテンツを「作る」必要はなく、日々の業務をそのまま記録すればいいのです。
特に動画コンテンツは、建設業界との相性が抜群です。基礎工事から完成までのタイムラプス動画、職人さんの技術を紹介するドキュメンタリー、完成物件のルームツアーなど、視聴者の興味を引くコンテンツを比較的容易に作成できます。
4-4. 双方向のコミュニケーションを大切にする
SNSは一方的な情報発信の場ではありません。コメントへの返信、ダイレクトメッセージへの対応、他のアカウントとの交流など、双方向のコミュニケーションを大切にしましょう。
コメントにしっかり返信することで、フォロワーとの信頼関係が構築され、エンゲージメント(反応率)も向上します。また、同業他社や関連業界のアカウントをフォローして交流することで、業界内での認知度も高まります。
ただし、SNSでは批判的なコメントが付くこともあります。その際は感情的にならず、誠実に対応することが大切です。適切な対応ができれば、むしろ企業の誠実さをアピールするチャンスにもなりますよ。
4-5. 複数のSNSを連携させる
余裕があれば、複数のSNSを連携させて運用することをおすすめします。
たとえば、YouTubeに投稿した動画を短くカットしてInstagramリールやTikTokに転用する、といった形で効率的に運用できます。同じコンテンツでも、プラットフォームによって届く層が異なるため、リーチを最大化することができます。
ただし、最初から複数のSNSを運用しようとすると、どれも中途半端になってしまう危険性があります。まずは1つのSNSに集中して運用に慣れてから、徐々に拡大していくのが賢明です。
5. よくある質問と回答
Q1. SNS運用にどれくらいの時間がかかりますか?
A. 投稿頻度やコンテンツの種類によって異なりますが、週3回程度の投稿であれば、週に2〜3時間程度を目安に考えてください。写真投稿が中心なら短時間で済みますが、動画編集を行う場合はもう少し時間がかかります。効率化のコツは、日常業務の中で素材を集めておくことと、投稿テンプレートを用意しておくことです。
Q2. どのSNSから始めるのがおすすめですか?
A. 目的によって異なりますが、建設・不動産業界の場合、まずはInstagramかYouTubeから始めることをおすすめします。ビジュアルコンテンツとの相性が良く、物件や施工事例を効果的にアピールできます。採用を重視するならTikTokも有力な選択肢です。顧客とのコミュニケーションを重視するなら、LINE公式アカウントも並行して運用すると良いでしょう。
Q3. フォロワーがなかなか増えません。どうすればいいですか?
A. フォロワー数の増加には時間がかかるものです。まずは3〜6ヶ月は継続して投稿を続けてください。その上で、ハッシュタグの活用、投稿時間の最適化、他のアカウントとの積極的な交流などを意識してみてください。また、フォロワー数だけにこだわらず、実際の問い合わせ数や成約への貢献度も確認することが大切です。
Q4. 炎上が心配です。どう対策すればいいですか?
A. 炎上リスクを完全にゼロにすることはできませんが、いくつかの対策は可能です。まず、政治・宗教など議論を呼びやすいトピックは避けること。個人情報や機密情報の取り扱いには十分注意すること。批判的なコメントには感情的にならず冷静に対応すること。また、投稿前にダブルチェックする体制を作っておくと安心です。
Q5. 社内にSNSに詳しい人がいません。外注すべきですか?
A. 完全に外注するよりも、まずは社内で運用してみることをおすすめします。現場の空気感やリアルな情報は、社内の人間だからこそ発信できるものです。ただし、戦略立案や効果測定、クオリティの高いコンテンツ制作などは、必要に応じてプロの力を借りるのも良いでしょう。最近は中小企業向けのSNS運用支援サービスも増えていますので、予算に応じて検討してみてください。
まとめ——今こそSNS発信を始めるべき理由
ここまで、建設・不動産業界におけるSNS活用について詳しく解説してきました。最後に、ポイントを整理しておきましょう。
- 環境の変化:SNS利用者数は8,400万人超。顧客も求職者も、SNSで情報収集するのが当たり前の時代になった
- メリット:低コスト、ビジュアル訴求、双方向コミュニケーション、潜在顧客へのリーチ、ブランディング効果
- 各SNSの特徴:Instagram(ビジュアル)、YouTube(SEO・動画資産)、TikTok(若年層)、LINE(顧客対応)、X(拡散力)
- 成功のポイント:目的・ターゲットの明確化、継続的な発信、現場コンテンツの活用、双方向コミュニケーション
「まだうちの業界はSNSをやっている会社が少ないから、様子見でいいかな」——そう思う方もいるかもしれません。
しかし、逆に考えれば、競合がまだ本格的に取り組んでいない今こそ、差をつけるチャンスです。SNS運用には時間がかかりますが、一度築いたフォロワーやコンテンツは貴重な資産となります。
まずは小さく始めてみてください。スマートフォンで現場の写真を撮って投稿する、それだけでOKです。完璧を目指す必要はありません。試行錯誤しながら、自社に合ったスタイルを見つけていけばいいのです。
この記事が、皆さまのSNS活用の第一歩となれば幸いです。








