
「毎日忙しいのに、会社は思うように成長しない」
「気づけば自分が何でも屋になっている」
「経営のことを考える時間がまったくない」
これは、多くの中小企業経営者が抱える共通の悩みです。
不思議なことに、会社が小さいほど社長は忙しく、大企業の社長ほど余裕があるように見えます。なぜでしょうか?
その答えは、**「経営構造」**にあります。
本記事では、小さな会社の社長が忙しくなる根本原因を解明し、最初に見直すべき経営構造について徹底解説します。
目次
- 小さな会社の社長が忙しい本当の理由
- 忙しさが招く「負のスパイラル」
- 社長が見直すべき5つの経営構造
- 「社長がいなくても回る会社」の作り方
- 経営構造を変えた社長たちの声
- 今日から始める経営改革7ステップ
- よくある質問と回答
- まとめ
小さな会社の社長が忙しい本当の理由
中小企業社長の労働実態
まず、中小企業社長の労働実態を見てみましょう。
📊 企業規模別・経営者の週間労働時間
| 企業規模 | 週間労働時間 | 週60時間以上の割合 |
|---|---|---|
| 従業員5名以下 | 58.7時間 | 42.3% |
| 従業員6〜20名 | 54.2時間 | 35.8% |
| 従業員21〜50名 | 48.6時間 | 24.1% |
| 従業員51〜100名 | 45.3時間 | 18.7% |
| 従業員101名以上 | 42.1時間 | 12.4% |
※当社調べ(2024年 中小企業経営者500名対象)
明らかに、会社が小さいほど社長の労働時間が長いことがわかります。
従業員5名以下の会社では、週60時間以上働いている社長が4割を超えています。これは月換算で約260時間、1日12時間以上働いている計算です。
社長が忙しくなる7つの原因
では、なぜ小さな会社の社長はこれほど忙しいのでしょうか。
📊 社長が忙しくなる原因(複数回答)
| 原因 | 該当する割合 | 深刻度 |
|---|---|---|
| 自分でやった方が早いと思ってしまう | 78.4% | ★★★★★ |
| 任せられる人材がいない | 72.6% | ★★★★★ |
| 役割分担が曖昧 | 65.3% | ★★★★☆ |
| 仕事を断れない | 58.7% | ★★★★☆ |
| トラブル対応に追われる | 54.2% | ★★★☆☆ |
| 現状把握に時間がかかる | 48.9% | ★★★☆☆ |
| 経営と現場の両方をやっている | 82.1% | ★★★★★ |
※当社調べ(2024年 中小企業経営者300名対象)
最も深刻なのは、**「経営と現場の両方をやっている」**という状況です。
社長の仕事を分解してみる
忙しい社長の1日を分解してみましょう。
📊 中小企業社長の1日の時間配分(平均)
| 業務内容 | 時間 | 割合 | 本来の理想 |
|---|---|---|---|
| 現場作業・実務 | 4.5時間 | 37.5% | 0〜10% |
| 顧客対応・営業 | 2.5時間 | 20.8% | 10〜20% |
| トラブル対応 | 1.5時間 | 12.5% | 5%以下 |
| 社内調整・会議 | 1.5時間 | 12.5% | 10〜15% |
| 経理・事務作業 | 1.0時間 | 8.3% | 0〜5% |
| 経営戦略・計画 | 1.0時間 | 8.3% | 30〜40% |
| 合計 | 12時間 | 100% | - |
本来、社長が最も時間を使うべき「経営戦略・計画」に使える時間は、わずか8.3%しかありません。
これでは、会社は「維持」できても「成長」できないのは当然です。
「エースで4番」問題
多くの中小企業社長は、創業期に「エースで4番」として活躍してきました。
営業も、製造も、経理も、採用も、すべて自分でこなしてきた。だからこそ会社がここまで成長した。
しかし、その成功体験が逆に足かせになっています。
📊 社長の役割変化と現実
| 会社のステージ | 社長に求められる役割 | 実際の社長の動き |
|---|---|---|
| 創業期(1〜3名) | プレイヤー兼マネージャー | プレイヤー100% |
| 成長期(5〜10名) | マネージャー中心 | プレイヤー80%、マネージャー20% |
| 拡大期(10〜30名) | 経営者中心 | プレイヤー60%、マネージャー30%、経営10% |
| 安定期(30名以上) | 経営者専任 | プレイヤー40%、マネージャー40%、経営20% |
会社が成長しても、社長の役割が変わっていない──これが問題の本質です。
忙しさが招く「負のスパイラル」
社長の忙しさは、単なる「大変さ」では終わりません。経営に深刻なダメージを与える「負のスパイラル」を生み出します。
負のスパイラルの構造
📊 忙しさが招く負のスパイラル
| 段階 | 状態 | 結果 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 社長が現場に追われる | 経営を考える時間がない |
| 第2段階 | 戦略なき経営 | 場当たり的な対応が増える |
| 第3段階 | トラブルが増加 | さらに社長の時間が奪われる |
| 第4段階 | 人材が育たない | いつまでも社長頼み |
| 第5段階 | 社長が疲弊 | 判断力・決断力の低下 |
| 第6段階 | 経営悪化 | さらに社長が現場へ... |
一度このスパイラルにはまると、抜け出すのは容易ではありません。
忙しい社長の会社に起きること
社長が忙しい会社には、共通した問題が発生します。
📊 社長が忙しい会社の特徴
| 問題 | 発生率 | 具体的な症状 |
|---|---|---|
| 人材の定着率が低い | 68.7% | 優秀な人から辞めていく |
| 売上が頭打ち | 72.3% | 成長が止まる |
| 利益率が低い | 64.5% | 忙しいのに儲からない |
| 新規事業が生まれない | 78.9% | 同じことの繰り返し |
| 社員のモチベーション低下 | 58.4% | 指示待ち人間が増える |
| 後継者が育たない | 82.1% | 事業承継の危機 |
特に深刻なのは、**「売上が頭打ち」と「後継者が育たない」**です。
社長が現場に張り付いている限り、会社には「社長の限界」という天井ができてしまいます。
売上の「壁」の正体
多くの中小企業には、なかなか超えられない「売上の壁」があります。
📊 売上の壁と社長の働き方の関係
| 売上規模 | 社長の役割 | 壁を超えるために必要なこと |
|---|---|---|
| 〜3,000万円 | 社長一人でも可能 | 人を雇う決断 |
| 〜1億円 | 社長+数名 | 社長が現場を離れる |
| 〜3億円 | 組織化が必要 | 管理者を育てる |
| 〜10億円 | 経営と現場の分離 | 経営に専念する |
| 10億円〜 | 経営チームの構築 | 後継者を育てる |
売上1億円の壁、3億円の壁──これらは実は「社長の働き方の壁」なのです。
社長が見直すべき5つの経営構造
では、どうすればこの状況を変えられるのか。社長が見直すべき5つの経営構造を解説します。
構造1:役割と責任の明確化
最も重要なのは、**「誰が何に責任を持つのか」**を明確にすることです。
📊 役割と責任の明確化チェックリスト
| チェック項目 | Yes/No |
|---|---|
| 営業の責任者は誰か明確になっている | □ |
| 製造・サービスの責任者は誰か明確になっている | □ |
| 経理・総務の責任者は誰か明確になっている | □ |
| 各責任者が自分の判断で決められる範囲が決まっている | □ |
| 社長に相談すべきことと、そうでないことが区別されている | □ |
5つすべてにチェックがつかない場合、役割と責任が曖昧な状態です。
よくある問題パターン:
📊 役割が曖昧な会社で起きること
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| 「誰がやるか」が決まっていない | みんなが様子を見て、結局社長がやる |
| 「どこまで判断していいか」が不明 | 何でも社長に確認が来る |
| 「責任」が曖昧 | 失敗しても誰も責任を取らない |
| 「評価」の基準がない | 頑張っても報われない |
構造2:業務の標準化・マニュアル化
社長しかできない仕事を減らすために、業務の標準化・マニュアル化が必要です。
📊 標準化すべき業務と効果
| 業務 | 標準化前 | 標準化後 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 見積作成 | 社長が都度対応 | 基準表+担当者 | 社長の時間▲80% |
| クレーム対応 | 社長が最終判断 | 対応フロー+権限委譲 | 社長の時間▲70% |
| 新人教育 | 社長がOJT | マニュアル+先輩社員 | 社長の時間▲90% |
| 仕入れ発注 | 社長の承認必須 | 基準内は担当者判断 | 社長の時間▲95% |
| 請求書発行 | 社長が確認 | 経理担当に一任 | 社長の時間▲100% |
「自分しかできない」と思っている業務の多くは、標準化すれば他の人でもできるものです。
構造3:情報共有の仕組み
社長が忙しくなる原因の一つに、**「現状把握に時間がかかる」**があります。
📊 情報共有の仕組み構築
| 情報 | 従来の把握方法 | 仕組み化後 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 売上状況 | 月末に確認 | 日次でダッシュボード確認 | 問題の早期発見 |
| 顧客状況 | 担当者に聞く | CRMで一元管理 | 属人化の解消 |
| プロジェクト進捗 | 会議で報告 | タスク管理ツールで可視化 | 会議時間削減 |
| 資金繰り | 経理に確認 | 週次で自動レポート | 先手の対応が可能 |
| 社員の状況 | 個別面談 | 日報+定期1on1 | 問題の早期把握 |
情報が「見える化」されれば、社長は必要な時に必要な情報にアクセスでき、逐一確認する手間が省けます。
構造4:意思決定の階層化
すべての判断を社長がしていては、時間がいくらあっても足りません。
📊 意思決定の階層化モデル
| 判断レベル | 決定者 | 具体例 |
|---|---|---|
| 戦略的判断 | 社長 | 新規事業、大型投資、人事評価制度 |
| 戦術的判断 | 部門責任者 | 営業戦略、採用、予算配分 |
| 日常的判断 | 担当者 | 日々の業務、顧客対応、発注 |
ルール例:
📊 判断権限の基準(例)
| 金額 | 決裁者 |
|---|---|
| 10万円未満 | 担当者 |
| 10万円〜50万円 | 部門責任者 |
| 50万円〜100万円 | 社長承認(事後報告可) |
| 100万円以上 | 社長承認(事前相談必須) |
この基準があるだけで、社長への確認の数は劇的に減ります。
構造5:経営者の時間ブロック
最も重要なのは、社長自身が「経営の時間」を確保することです。
📊 理想的な社長の時間配分
| 業務カテゴリ | 理想の割合 | 週あたり時間(50時間の場合) |
|---|---|---|
| 経営戦略・計画 | 30% | 15時間 |
| 人材育成・組織づくり | 25% | 12.5時間 |
| 重要な顧客・パートナー対応 | 20% | 10時間 |
| 社内コミュニケーション | 15% | 7.5時間 |
| 現場作業・その他 | 10% | 5時間 |
この時間配分を実現するためには、「経営の時間」を先にブロックすることが必要です。
具体的な方法:
- 毎週月曜午前は「経営戦略タイム」として予定を入れない
- 毎月第1週は「未来を考える週間」として現場から離れる
- 四半期に1回は「経営合宿」を行う
「社長がいなくても回る会社」の作り方
3つのステップ
「社長がいなくても回る会社」を作るには、以下の3つのステップを踏みます。
📊 社長離れの3ステップ
| ステップ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| Step1 | 業務の棚卸しと分類 | 1〜2ヶ月 |
| Step2 | 責任者の選定と権限委譲 | 3〜6ヶ月 |
| Step3 | 仕組み化と定着 | 6〜12ヶ月 |
Step1:業務の棚卸しと分類
まず、社長がやっているすべての業務を洗い出します。
📊 業務の4分類
| 分類 | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| A:社長にしかできない | 経営判断、重要な意思決定 | 社長が継続 |
| B:社長がやるべき | 重要だが他の人も可能 | 段階的に委譲 |
| C:社長がやる必要がない | 他の人でもできる | すぐに委譲 |
| D:そもそも不要 | 慣習でやっているだけ | 廃止 |
多くの社長が驚くのは、「A」の業務は思っているより少ないということです。
Step2:責任者の選定と権限委譲
次に、委譲する業務を誰に任せるかを決めます。
📊 権限委譲のマトリクス
| 業務 | 適任者 | 委譲方法 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 営業管理 | 営業リーダー | 同行→一人→報告のみ | 3ヶ月 |
| 採用面接 | 人事担当 | 一緒に→一人→最終のみ | 2ヶ月 |
| 見積作成 | 営業担当 | 確認→事後確認→報告のみ | 1ヶ月 |
| クレーム対応 | CS責任者 | 同席→相談→報告のみ | 3ヶ月 |
ポイントは、**「いきなり任せない」**こと。段階的に委譲することで、失敗のリスクを最小化できます。
Step3:仕組み化と定着
最後に、属人的な運用を「仕組み」に落とし込みます。
📊 仕組み化のチェックリスト
| 仕組み | 内容 | 完了 |
|---|---|---|
| マニュアル | 主要業務の手順書 | □ |
| ツール | 情報共有・管理のシステム | □ |
| 会議体 | 定例ミーティングの設計 | □ |
| 評価制度 | 責任と成果の評価基準 | □ |
| 報告ルール | 何をいつ誰に報告するか | □ |
経営構造を変えた社長たちの声
製造業(従業員18名・愛知県)
「週70時間働いていた私が、今は50時間で会社が回っています」
金属加工業を経営しています。創業から15年間、私が「何でも屋」でした。
見積もりも、納期調整も、クレーム対応も、すべて私を通さないと進まない。社員は「社長に聞かないとわからない」が口癖でした。
あるとき体調を崩して1週間入院したのですが、会社はパニック状態に。これではいけないと痛感しました。
まず、自分の業務をすべて書き出しました。すると「私がやる必要がない仕事」が7割以上あることに気づいたのです。
製造課長に製造の判断を任せ、営業リーダーに見積もり権限を与え、経理は経理担当に一任。最初は「大丈夫かな」と不安でしたが、3ヶ月後には私より上手にやっていました。
今では週70時間が50時間に。しかも売上は1.3倍に増えました。私が経営に集中できるようになったからだと思います。
── 金属加工業 代表取締役 鈴木さん(52歳)
IT企業(従業員12名・東京都)
「任せることで、社員が成長しました」
システム開発会社を経営しています。プログラマー出身なので、技術のことが気になってしまい、すべてのプロジェクトに口を出していました。
社員からすれば「社長がすべて決める会社」。だから誰も自分で考えない、責任を取らない。結果的に私の負担が増える悪循環でした。
意を決して、プロジェクトリーダーに「君の判断でやっていい。失敗しても責任は私が取る」と伝えました。
最初の1ヶ月は不安でしたが、リーダーは私が思っていた以上に成長しました。自分で考え、自分で決め、自分で責任を取る。その姿を見て、他の社員も変わり始めたのです。
離職率も下がりました。「自分で決められる会社」は、やりがいがあるようです。
── システム開発会社 代表取締役 中村さん(42歳)
飲食業(従業員25名・大阪府)
「現場を離れたら、新規出店ができました」
居酒屋を3店舗経営しています。3店舗目を出してからずっと、私は毎日どこかの店舗に顔を出していました。
「店長に任せている」と言いながら、細かいことまで口を出してしまう。店長たちは萎縮し、「社長に確認します」が口癖に。
コンサルタントに相談したところ、「社長が現場にいるから店長が育たない」と指摘されました。
思い切って、3ヶ月間店舗に行かないと決めました。もちろん数字は毎日チェックしていましたが、口出しはしない。
最初の1ヶ月で売上が5%下がりましたが、2ヶ月目から回復。3ヶ月後には過去最高の売上を記録しました。店長たちが「自分の店」として考えるようになったからです。
私は現場を離れることで、4店舗目の物件探しと資金調達に集中できました。来年春にオープン予定です。
── 飲食業 代表取締役 山田さん(45歳)
サービス業(従業員8名・福岡県)
「私が休んでも、会社が回る安心感」
清掃サービス業を経営しています。創業10年目にして初めて、1週間の長期休暇を取りました。
以前は1日休むだけでも不安で、旅行中も常にスマホをチェック。家族からは「一緒にいる意味がない」と言われる始末でした。
経営構造を見直し、責任者を育て、マニュアルを整備し、緊急時の連絡ルールを決めました。
1週間の休暇中、緊急連絡は1件だけ。それも責任者が対応済みで、報告のみでした。
「社長がいなくても回る会社」になったことで、私自身のストレスも大きく減りました。健康診断の結果も良くなり、家族との時間も増えました。
経営者として最も大切な「判断力」を保つためにも、休むことは必要だと実感しています。
── 清掃サービス業 代表取締役 佐藤さん(50歳)
今日から始める経営改革7ステップ
「やることはわかった。でも何から始めればいい?」
そんな方のために、今日から始められる7つのステップを紹介します。
📊 経営改革7ステップ
| ステップ | 内容 | 所要時間 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Step1 | 1週間の業務を記録する | 1週間 | 現状把握 |
| Step2 | 業務を4分類する | 2時間 | 優先順位の明確化 |
| Step3 | 「すぐ委譲できる業務」を3つ決める | 1時間 | 即効性のある改善 |
| Step4 | 責任者と委譲ルールを決める | 1日 | 権限委譲の開始 |
| Step5 | 「経営の時間」を週5時間確保する | 即日 | 未来への投資 |
| Step6 | 月1回の振り返りを設定する | 30分/月 | 継続的改善 |
| Step7 | 半年後の理想像を描く | 2時間 | ゴールの明確化 |
Step1:1週間の業務を記録する
まずは現状把握から。1週間、自分が何に時間を使っているかを15分単位で記録します。
記録項目:
- 時間帯
- 業務内容
- かかった時間
- 「自分でないとダメか」の判断
Step2:業務を4分類する
記録した業務を4つに分類します。
- A:社長にしかできない → 継続
- B:社長がやるべきだが他でも可能 → 段階的に委譲
- C:社長がやる必要がない → すぐに委譲
- D:そもそも不要 → 廃止
Step3:「すぐ委譲できる業務」を3つ決める
C分類の中から、来週から委譲できる業務を3つ選びます。
小さなことからでOKです。まずは「委譲する」という経験を積むことが大切です。
Step4:責任者と委譲ルールを決める
選んだ3つの業務について、以下を決めます。
- 誰に任せるか
- どこまで判断してよいか
- 報告はいつ、どのように行うか
- 困ったときは誰に相談するか
Step5:「経営の時間」を週5時間確保する
カレンダーに「経営の時間」を予約します。
おすすめの設定:
- 毎週月曜9:00〜12:00(3時間)
- 毎週金曜15:00〜17:00(2時間)
この時間は絶対に現場作業を入れないと決めてください。
Step6:月1回の振り返りを設定する
毎月1回、30分で以下を振り返ります。
- 委譲した業務はうまくいっているか
- 新たに委譲できる業務はないか
- 「経営の時間」は確保できているか
Step7:半年後の理想像を描く
最後に、半年後の理想像を具体的に描きます。
書くこと:
- 自分の労働時間は何時間か
- どの業務を手放しているか
- 「経営の時間」で何をしているか
- 会社はどう変わっているか
よくある質問と回答
Q1:任せられる人材がいないのですが…
A:「任せながら育てる」しかありません。
「育ってから任せよう」と思っていると、永遠に任せられません。70%できる段階で任せて、残り30%は任せながら育てるのです。
📊 人材育成の考え方
| 考え方 | 結果 |
|---|---|
| 100%できるようになったら任せる | いつまでも任せられない |
| 70%できたら任せる | 任せながら成長する |
| 50%でも任せてみる | 失敗から学ぶ(要フォロー) |
Q2:任せたら失敗しそうで不安です
A:失敗を許容する覚悟が必要です。
部下が失敗しても、会社が潰れるような失敗でなければOKと考えましょう。むしろ、失敗から学ぶことで成長します。
**社長の役割は「失敗しても大丈夫な環境を作る」**ことです。
Q3:自分でやった方が早いのですが…
A:短期的には早い、長期的には遅くなります。
今日は自分でやった方が早くても、それを10回、100回繰り返すと膨大な時間になります。
一度教える時間をかけても、その後は自分の時間が空きます。「投資」として考えてください。
Q4:小さな会社でも仕組み化は必要ですか?
A:小さな会社ほど必要です。
大企業には人がたくさんいるので、仕組みがなくても誰かがカバーできます。しかし小さな会社は、一人が抜けると回らなくなります。
「属人化」は小さな会社の最大のリスクです。
まとめ
小さな会社の社長が忙しいのは、「仕事量が多いから」ではありません。「経営構造」に問題があるからです。
本記事のポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 忙しさの原因 | 社長が現場に張り付き、経営ができていない |
| 負のスパイラル | 忙しさ→戦略なし→トラブル増加→さらに忙しく |
| 見直すべき構造 | ①役割と責任 ②標準化 ③情報共有 ④意思決定 ⑤時間ブロック |
| 社長離れの3ステップ | 業務の棚卸し→責任者選定→仕組み化 |
| 第一歩 | 1週間の業務記録から始める |
忙しさから抜け出すための第一歩は、**「忙しさを当たり前と思わない」**ことです。
社長が経営に集中できる時間を作ることで、会社は必ず成長します。
今日から、自分の時間の使い方を見直してみませんか?








